日本の中心、美濃

美濃は岐阜県の中央部、つまり日本のほぼ中心に位置しています。
市内の中心部は「うだつの上がる町並み」として知られ、江戸から明治時代に建てられた建造物が建ち並び、旧商家の家並みが整然と軒を連ねる由緒正しい歴史保護地区の指定も受けた地域。かつてこの町が栄えた背景にあるのが、和紙産業です。

良質な原料と清流の恩恵によって、美濃では奈良時代以前から和紙づくりが行なわれてきました。江戸時代には美濃和紙が幕府の御用紙に指定され、その和紙の商いによって富と栄華を誇った商人たちが独特の町家を築き上げたのです。

日本の名水長良川を臨み、緑濃い山々に囲まれた美濃はいまも、豊かな自然の恵みを四季の移ろいとともに堪能できる場所です。

育ちが良い美濃和紙

伝統的な和紙の中でもとりわけ、美濃で漉かれる美濃和紙は、美しさと品格に秀でています。

現存する史料として年代がはっきりしている日本最古の紙は、正倉院に残る戸籍用紙(702年)だと言われています。いくつかの地域で漉かれた和紙が保存されていますが、繊維が均等に絡み合って漉きムラがない点で、美濃和紙が最も優れているとされてきました。
美濃の紙づくりの歴史は奈良時代以前までさかのぼり、中世・近世・現代のいずれに時代にも、和紙の先進地でありつづけた産地です。

さらに、書院紙、美術紙、型紙原紙、表具用紙、謄写版原紙など、美濃の各地区で得意とする和紙が伝統的に定まっていたことから、高度な技術が損なわれずに伝わってきたともいえます。紙漉きに欠かせない清らかな水は長良川と板取川から、そして、楮や雁皮といった良質な原材料は地域一帯から豊富に得てきました。最盛期には、紙漉きをする家が5000戸にもなったと記録されています。

美濃和紙の特徴には、温かみのある色合いと、繊維が縦横に整然と絡み合っているため耐久性が高いことが挙げられます。全国的に知られる、岐阜提灯や岐阜うちわ、岐阜和傘なども、美濃和紙が生み出してきた工芸品です。